なんがでっきょんな?

雑記以外のなにものでもない



「新・観光立国論」が日本に対して辛辣な件

日本の観光産業に対して苦言を呈する辛口本、「新・観光立国論」は

一読の価値があります。

 

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 こんな人に読んで欲しい

・観光の仕事に携わっている人

・観光系の勉強をしている学生

・日本のおもてなしは世界一ィ!!!と思っている人

・日本は親切な国とか思っている人

 

観光に関わっている人は絶対読むべきです。日本人以外から見た、日本の観光の姿は

知っておくべきでしょう。「新・観光立国論」は自分たちが考えている日本の価値を再確認させてくれる一冊と言えます。。

 

あと、日本の良さは「おもてなし」にあると思っている人はバッサリ斬られるだろう。

 

 

読んだきっかけ

大学で地域活性化について主に学んでいて、観光ももちろん、地域活性化に大きく関係します。なので時々、観光関連の本も読んだりしていました。その中でも少し前に話題になったデービット・アトキンソンの「新・観光立国論」を読んだ、というのがきっかけです。

 

まず、作者がイギリス人。なので、外部の人間(外国人)からみた日本の観光がこの本には書かれていることになります。ズバッと書かれている部分もあり、中には腹がたつ人もいるかもしれませんが、頷ける指摘もたくさんあります。海外からの観光客を呼び込もうとしている日本にとっては海外のアナリストの意見は必ず聞いておくべき指摘と言えます。今後、日本に来る観光客は外国人がふえていくでしょう。もちろん、観光業に携わっている人や、観光を勉強している学生も是非、読むべきでしょう。

 

日本がもう一度大きく経済成長するには、観光がキーになる

 

見出しのとおり、もう一度日本の経済を成長させる(ここでいう成長の指標はGDP)には観光立国として日本の観光業の質を上げるべきというのが筆者の主張です。その根拠としては日本のこれまでの経済成長は人口の増加によるものであり必然だったということです。世界の国と比べても日本の人口は多い方で先進国の中で人口が1億人を超えているのはアメリカと日本だけです。日本の技術力はたしか高く、成長の一要因ではあるのですが、一時は経済力世界2位まで上り詰めたのは人口増加の占める役割は大きいという事です。まあ、確かにそうかもしれませんね・・・同意できる点もあります。一方で、現在人口減少に転じている日本はこのままでは経済は下り坂になるだろう。じゃあ人口増やす?となってもいきなり増やせるもんではありません。なので国内の日本人は増やせなくても、海外から来た一時的に日本に滞在する人口(つまりは観光客)を増やそうよってことなのです。

 

ここまでが導入的な部分です。まあ主張が「GDPを上げるためには」という前提で話が進んでいるからここで違和感を感じる人はこの先もモヤモヤしたままかもしれません。ですが、日本人の観光に対する姿勢にも言及しているので、我慢して読み進めて欲しいです。

 

 

観光立国のための4条件

 

全ての国が観光立国になれるわけではありません。観光業で国を立てられるようになるには4つの条件が必要だと筆者は言ってます。その条件とは「気候」「自然」「文化」「食事」です。

 

まず「気候」日本はそこそこの気候であると言えるでしょう。「そこそこ」とは、極端に暑かったり寒かったり、長い雨季があったりしないという事です。観光上位国のフランス・中国・アメリカ・スペインも極端な気候とは言えません。と、過ごしやすい気候に加えて日本では国の中にいくつもの気候があるのでより、良い気候と言えるでしょう。北海道ならスキーができますが、沖縄ならビーチで過ごせる。気候の安定と多様性をうまく両立できているのが日本という国です。

 

「食事」や「文化」は言うまでありません。ただ食事は大事な観光の楽しみの一つと言えるがメインに据えるには心もとないでしょう。食事と食事の間の時間にいかに楽しんでもらえるかが重要であり、「文化」との連携が必要です。また、「文化」に関しては、日本の観光資源の周りに高層建築物が立ち、景観が損なわれているところもあります。その点が海外から来た観光客ががっかりするポイントである点という事に注意が必要だと、個人的に思います。

 

そして「自然」これは結構大事な要素です。大阪や東京だとたいした事ないように思えるけど、実は国連の数字によると「1平方キロメートルあたりの動物・植物の数」は世界一を誇るらしいです。絶対数はアマゾンやらなんやらに負けるけど、密度で言えば世界一なのです。

 

お・も・て・な・し、はとんだ勘違い

 

日本人の観光に対する意識の低さと勘違い。このあたりが辛辣に書かれていた部分です。とくに「おもてなし」なんて勘違いの象徴として扱われているという印象を受けた。けど、確かにそうかもしれないと思える部分も多かったです。

 

端的に言うと日本人の考える「おもてなし」は日本人の価値観の押し付けで、外国人観光客が本当にしてほしいことをしてあげているか?という点に触れています。

 

感想、ぶっちゃけ経済成長を捨てるべきだと思う

 

まず感想として、日本人発信ではない客観的な意見や分析が書かれているので、ものの見方を広げるという点で良書と言えます。しかし、経済成長を前提としているので、この前提に僕は賛同できないので「別にそこまでしなくてもいいんじゃない?」と若干冷めた目で読みました。観光はその観光資源を抱える地域にとって消耗戦です。最後には地域の人が疲れはてるでしょう。観光業ってサービス業ですからね。経済成長を追い求めずに、経済をそこそこにしながら豊かに生活する方法を考えて、実行する方がいいんじゃないかなと思います。

 

 おすすめ度:70/100

読みやすさ:60/100

学びの多さ:85/100